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今回のブログでは、こちらのカントリー調のチェストの塗り直しの様子をご紹介します。
この重厚感は、パイン(米松)という木の無垢材でしっかりと製作されているからこそだと思います。
パイン材とは、日本でもお馴染みの木材である“松(マツ)”のことで、主に北米産のマツのことをパイン(米松)と呼びます。
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引き出し内部も全てパインの無垢材で作られていました。
なので、見た目と同様にずっしりと重~い家具でした。

しっかりと作り込まれた家具だなぁと思っていたら・・・やはり、アメリカの高級家具メーカーのETHAN ALLEN(イーセン・アーレン)社製のものでした。
●High-Brands.com:https://high-brands.com/interior-brand.php?id=30
↑イーセン・アーレン社についてはこちらのサイトで分かりやすく紹介されています。

ちなみに、チェスト(Chest)とは一般的に“引き出し収納”のことを指します。
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しかし、チェストの元々の意味は、蓋付きの大き目の箱のことを指すようで、海賊映画などでよく目にする宝箱はトレジャーチェストと呼ばれます。

英語では引き出しのことを「ドロワー(Drawer)」と呼び、引き出し収納のことを「チェスト・オブ・ドロワーズ(Chest of drawers)」と呼びますが、それが省略された形で、日本では引き出し収納のことをチェストと呼ぶようになったそうです。
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こちらは、塗り直し前のチェストの天板の様子です。
身長173cmの私の、ちょうど肩口あたりの高さだったでしょうか。
比較的綺麗な現状で、お客様が大切にお使いなのが伺えましたが、表面の汚れや傷などが少々目につきますよね
パイン材は大らかで優しい雰囲気の木目が特徴的ですが、針葉樹系の柔らかい木質でキズが付きやすかったりします
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さらに天板をクローズアップしてみましょう。
表面の傷や凹みで、後から付いたものもたくさん見受けられるのですが、その中に最初からわざと付けたような傷や黒い塗料を飛ばしたような小さな斑点、筆で擦ったような模様をご覧頂けるでしょうか
これは天板だけでなく、家具全体に施されていました。
実は、今回お預かりしたチェストはエイジング塗装がされていたのです

エイジング塗装とは、年月を重ねたように見せる、経年変化をリアルに表現する塗装方法です。
その表現方法は多種多様で幅広く、風化した石材や錆びた金属風に見せるようなアートペイント的な要素も含む、ひと言では言い表せない奥深い世界であります。

●旧塗装部ブログ/室内建具のエイジング塗装6
http://blog.livedoor.jp/tosobu/archives/51417915.html
↑昔(なんと約11年前)、弊社で手掛けたエイジング塗装の様子をレポートしていました。

木工家具の場合、特に木目を活かしてエイジング塗装をする場合は、バールや釘などの金物の道具で表面に傷を付けたり、グレイジングと呼ばれる“汚し”を施すことにより、アンティーク感のある味わい深い雰囲気に仕上げることを言います。
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何はともあれ掃除から。
引き出しの内側から家具の裏側まで、拭き掃除して汚れを落とします。
表面は溶剤で拭き取り、油脂分も取り除きます。
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引き出しの取っ手付近に、あからさまに後から付いた傷がありますね。
こういった部分を補修していきます。
綺麗にしすぎてしまっては、元のエイジング塗装の味わいが台無しになってしまいますから。
アンティークな雰囲気は残しつつ、程よく綺麗にしていきます。
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引き出しの取っ手付近についた傷の凹みに、木地の色に似せて調色したパテを埋めて表面を平滑にしている様子です。
こういった作業を家具全体に施していきます。
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ある程度傷の補修が終わったら、家具全体をサンドペーパー(360番)で研磨し、下塗り(サンディングシーラー)を吹き付け塗装していきます。
サンドペーパーで研磨をして素地を荒すことにより、塗料の密着性を向上させます。
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下塗りが乾燥したら、さらに細かい番手(400番)のサンドペーパーで研磨し、上塗りのクリヤー(7分艶消し)を塗装していきます。
使用している塗料は家具用の2液型ポリウレタン樹脂塗料です。
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上塗りが乾燥したら、傷のタッチアップや色調整をして仕上げていきます。
タッチアップや色調整が終わったら、家具全体を600番のサンドペーパーで研磨をします。
表面のざらつきを取り、ツルツルにしてから、最後に再び仕上げ用のクリヤーを吹き付けていくと・・・

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↑施工前
↓施工後
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遠目で見た感じではあまり変化がない様に見えますが。
写真では分かりにくいのですが、細かい傷などが消えて、退色していた部分に色調整を行ったので、全体的に引き締まった感じになりました。

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↑施工前
↓施工後
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天板も後から付いた傷がなくなり、すっきりとした印象になったでしょ。
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塗り直し後の天板のクローズアップ。
エイジング塗装で付けられた傷や汚しなどは、味わいとして残しました。

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↑施工前
↓施工後
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傷だらけだった引き出しの取っ手部分付近は、この様な感じに。
余計な傷などが消えて、程よく直ったと思います

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↑施工前
↓施工後
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やはり家具の出隅(角)の部分などは傷が付きやすいものですが、塗り直し後は傷は目立たなくなりました

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今回もお客様には大変喜んで頂けたようで良かったです
この度は弊社へ塗り直しをご依頼いただき、誠にありがとうございました。



最後までお読み頂きましてありがとうございました。
ここまでご覧頂いた方にさらにお知らせがあります。

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私たち塗装部は木工塗装を得意とする職人集団ですが、実務をこなしながらになる営業的な仕事は正直得意ではありませんし、家具運搬等の業務は行っておりません。
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