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先日、こちらのテーブル天板をお客様よりお預かりして塗り直しをさせて頂いたのですが。
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分厚いポリエステル樹脂塗装が施されたテーブルの天板は、長年のご使用でかなり劣化していました。
こちらの天板はオークの無垢材を幅接ぎ(はばはぎ)して作られたものでしたが、ぱっと見では木地の状態が見えないほど塗装の表面が白く変色しておりました
この様な場合は、劣化した塗装を剥離除去してから再塗装をするしか方法はありません。

【ポリエステル樹脂塗装とは?】
多塩基酸と多価アルコールを重縮合させ、内部にエステル結合を有する樹脂・・・との事ですが、難しくてよく分からないですよね

ポリエステル樹脂塗料は、その樹脂の特性上、塗料全体が塗膜形成かつ塗膜内部から硬化していくので上乾きの心配がなく、1度で非常に厚膜の塗装を行う事が可能で、塗膜が厚いほど硬化が良いのが大きな特徴です。
アクセサリーなどの製作用で「レジン」と呼ばれている樹脂が東急ハンズやホームセンター等で販売されていますが、あれと同じ種類のものです。

その極厚の塗膜で木材(特に無垢材)を乾燥から守ってくれるので、加工後の狂いを防いでくれるなどの効果も期待出来ます。

硬度が高く、耐摩擦、耐水、耐薬品性などにも優れており、ピアノやエレキギターの様な光沢のある鏡面塗装仕上げなどで用いられる塗装です。

短所としては、厚膜かつ硬度が高いので柔軟性が低く、ゆえに木地への追従性や密着性も良好ではないので、局所的な強い衝撃に弱く、場合によっては塗膜が割れたり浮いたりすることがある点です。
また、年月を重ねると今回の様に表面が白っぽくなる現象(白化現象)を起こしやすいという点も挙げられます。

基本的に、主剤+硬化剤+硬化促進剤の3液を混合して使用する塗料で、その調合量にグラム単位のシビアさを求められたり、気温などによってその配合量を微妙に変える必要があったり、塗料の調合後から硬化するまで時間(可使時間)が比較的短かったりするので、取り扱いが難しい塗料でもあります。

昨今の特注家具業界では厚塗り需要の減少もあり、現在弊社ではほとんど取り扱うことが無くなった塗料です。

ちなみに、弊社では“2液型のポリウレタン樹脂塗料”を主に使用しています。

上記のとおり、厚膜かつ強靱なポリエステル樹脂塗装ですので、通常ならば剥離するのはとても手間が掛かるものなのですが、今回のテーブル天板の塗装は劣化の限界をとうに過ぎてしまっていたようでした。
樹脂としての強度を失った塗膜は、まるで薄いガラス板が割れるように砕けていきました。
こちらはポリエステル樹脂塗装特有の劣化の仕方で、こういった事がたまに起こります。

今回のブログは、こちらの気持ち良いくらいに塗装が剥がれていく様子を、ただ皆様にご覧頂きたいが為の投稿でしたー(笑)すみません


塗膜を剥がした後は、木地を研磨してうっすらと残っている塗膜や傷などを削り落としていきます。


そんなこんなで、思いのほか綺麗なすっぴんのお肌に戻りました

そして・・・
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この後は、いつもどおり塗り直しをしていくのでした

今までの家具塗り直しの事例はこちらをご覧くださいませ。


それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
ここまでご覧頂いた方にさらにお知らせがあります。

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出張見積や家具の引き取り・施工後の納品などは日正産業株式会社様が担当。
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