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去る2月5日(土)、雲一つない冬晴れの中、弊社から徒歩で約10分の木場公園内に所在する東京都現代美術館にて社内研修を開催しました。
今回のブログはその様子をご紹介いたします。
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この日の東京は放射冷却で冷たい空気に包まれ、とても寒~い一日でした。
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東京都現代美術館で社内研修をさせて頂くのは今回で2回目。
前回こちらの美術館で社内研修を行った時の様子はこちら
そう、2020年11月28日の事でしたね。
美術館内の地下にあるセミナールームをお借りして、今回も朝9時から夕方5時まで丸一日をかけて行いました。
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セミナールームに入り、先ずは会場の準備から始めます。
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今回の社内研修用に座席を並べ替え、プロジェクターの用意などなど。
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社員の皆でやって、あっという間に完了です
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毎度の事ですが、弊社の研修は基本的にスーツ着用で参加することになっています。
普段作業着姿で仕事する塗装部もこの日だけはスーツでバシッと決ってます
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こちらの方が弊社ではすっかりお馴染みの米澤晋也先生です。
一昨年(2020年)から定期的にご指導を頂いており、今回で5回目になります。
前回はちょうど3ヶ月前でした。
これまでの米澤先生の研修会は毎回面白く、私達に様々な気づきを与えてくれましたし、今回もとても楽しみにしておりました。
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今日はどんな研修会になるのだろうかと思っていたら・・・開会早々いきなりリング状の物体(フラフープ)を手渡されたのでありました。
訳も分からずそのリング状の物体を受け取る私達。
この時、私達の頭の上には見えない「」マークが浮かんでいたことでしょう(笑)

ところで皆様、「へリウムリング」と呼ばれるゲームはご存じですか?

【ヘリウムリングのやり方】
① 1チーム(6~10名くらい)につき、1つのフラフープを用意する
② フラフープを囲むように円になる
③ 胸あたりの高さで利き手の人差し指の第一関節にフラフープを乗せる
④ 立った状態から、誰も指を離さずにフラフープを地面に置くことが出来たらクリヤー

※誰かの指が離れてしまったり、別の指を使った場合は最初の高さからやり直し
※制限時間は5分以内
※人数が多いほど難易度が上がります

ちなみに人数が少ない場合は、両手を使って行うと難易度がアップするそうです。
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私達は1チーム7名づつに分かれて“ヘリウムリング”にチャレンジ。
ルールだけ聞くと簡単そうに思いますが、実は一筋縄ではいかないゲームでして
こちらのゲームは結構盛り上がり、この場の雰囲気をだいぶ和ませてくれました。
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どうやら“ヘリウムリング“は、“アイスブレイク”という手法に用いるゲームの1つのようです。

【アイスブレークとは?】
氷を解かすといったニュアンス。始めて出会った人同士や、会議の緊張をほぐすことでコミュニケーションを円滑にし、出席者が目的に応じた積極性を発揮出来るようにする手法。

会議や研修の冒頭で5~10分程度行われることが一般的だそうです。

さらに、こちらのゲームにはもっと深い意味があるようです
【タックマンモデルとは?】
1965年に心理学者のブルース・W・タックマンが提唱した考え方で、組織(チーム)の成長段階を表したもの。
形成期、混乱期、統一期、機能期、散会期の5段階を経て、成果を出せるチームは完成する、と言われています。
  1. 形成期:チームを組んだばかりの時期。遠慮や緊張が見られ、なかなか自分の意見が言えない状態。
  2. 混乱期:チームの目標を達成するにあたって、意見や主張がぶつかり合う状態。チームの成長に繋がるとても大切な時期。
  3. 統一期:ぶつかり合いを経て、メンバーひとりひとりの役割が明確になる時期。
  4. 機能期:チームに団結力が生まれ、成果をあげられる時期。
  5. 散会期:チームの目的を達成し、メンバーがそれぞれ別の目的に向かって動き出す時期。
以上の5段階を経ることで、期待通りにチームが機能するようになると説いています。
上記の“タックマンモデル”を短時間で疑似体験出来るのが“ヘリウムリング”というゲームだそうです。

最初に行ったヘリウムリングが象徴するように、今回の研修会は先生が講義する時間は少なく、チームまたは全員で共同のワークを行うことが主でした。

“三人寄れば文殊の知恵”というタイトルどおり、米澤先生は一貫して“チームワークの大切さ”を話されています。
これまでの研修会で米澤先生には重要な考え方などは繰り返し教えて頂いてきた訳ですし、今回はそれを“体感”するような研修内容だった気がします。
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こちらは“人生グラフ”というワークです。
縦の軸が感情の浮き沈みを表し、横の軸は年月の経過を表しています。
物心付いてから現在までの自分の人生を自分なりにグラフに表します。
前回の研修でも行いましたが、自分の事を見つめ直す為のワークです。
私の場合は前回とは違う形のグラフになり、また違った一面が顔を出してきたという感じ。
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こちらはチームメイトに対してもっと自分の事を知ってもらうためのワークです。
“人生グラフ”を踏まえた上で、
  1. 私が人生で大切にしているコト、モノ、思い
  2. その思いが紡がれた、人生での出来事
  3. 私の夢
を書き出し、それをチームの皆に発表しました。
そして、チームの皆からその感想(どういった点に好感が持てたか、自分との共通点はあったかなど)を付箋に書いて頂いて受け取りました。
こちらのワークは今回初めて行いましたが、チームメイトそれぞれの人柄が垣間見られて、思いのほか楽しかったです。
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画像引用:適性検査ポテクト
ジョハリの窓”という心理学における考え方でも言われているとおり、チームメンバーそれぞれが“自己開示”をしていくことはチームワークを高める上で効果的な手法の1つのようです。

普段話すことのない自分のプロフィールを話すことは少々恥ずかしい気もしましたが

チームメンバーそれぞれが安心して自分の個性を発揮でき、それをお互いに尊重しあい、それぞれの強みを活かしていける環境作りが必要」だと以前の米澤先生の研修で習いましたが、私も含めて全員が気軽に話す事が出来たと思うので、その点では弊社はかなり良い線いってるのではないかと私個人的には思いました

さて、今回の研修会はここから佳境に入っていきます。
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前半戦はチームに分かれて行うワークが中心でしたが、後半戦では全員(全社)で考えるディスカッション形式のワークを行いました。
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【どんなチームになれば「全員が」幸せか?】
とてもシンプルな問いですが、皆様はどう思われますか?
チームといっても様々な形があると思います。
家族や友達関係もチームでありえるでしょうし、職場の人間関係も然り。
考えてみると、普段生活を送る上でいつも必ず誰かしらと(目には見えない、自分では気づいていない人も含めて)関係を持っていることに気づかされます。
実は“チームワーク”で何かを行う事が日常であり、そこにおける人間関係を改善したり(自分の考え方や行いを変える、相手から離れるなど)、そのチームにおいて発生する問題を改善したりする事が、生活の質の向上に大きく貢献すると思います。

さて、私達が仕事をする上で、どのようなチームになれば「全員が」幸せを感じることが出来るのか。
そう、「全員」というのが重要です。
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うーん・・・いざ真剣に考えるとなかなか言葉が出ないものですね
ついつい難しく考えてしまいがちですが。
  • すべての仕事を自分事に(自主自立、仕事の主になる)
  • 共同目標に向かう(具体的かつ明確な目標を設定する)
  • 助け合う→自ら進んで(共創、協働経営)
  • 誇りを持って仕事をする→達成感を得る(やりがいのある仕事)
  • 話し合う、対等に話が出来る(良好な人間関係)
先ず、今まで研修会を通して導き出してきた私達が思うチームの理想の形を書き出してみました。
それを元にして思いを巡らせます。

心の柵(しがらみ)を取り払い、正直ベースで。
私達それぞれで考えて、導き出した答えを付箋に書き出してみました。
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そして、皆が書き出した付箋を分類してみると・・・
  • 目標(何か大きな目標を共有している)
  • 相手を尊重する(思いやり、尊敬しあえる関係、対等な関係)
  • コミュニケーション(話しやすい環境作り、互いの状況を把握出来ている)
  • モチベーション(助け合い、業務改善の継続、ワクワク感)
  • プライベート(公私ともに充実、残業ゼロ、ゆとりのある収入と豊かな心)
上記の5つのキーワードが浮かび上がってきました。
そして、それらに共通するのは「充実感」ということが分かりました。

ふぅ・・・午前の部はここまで。
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写真引用:trip note
ちなみにお昼ごはんは、美術館の地下にある「100本のスプーン」というレストランで頂きました。
こちらは、弊社が所在する清澄白河界隈でも人気のレストランで、とても美味しいと評判のお店です。
ということで、ニシザキ工芸の社員達もよく食べる"いち推しメニュー”を3つご紹介しましょう
鶏もも肉のコンフィ
写真引用:100本のスプーン
①鶏もも肉のコンフィと燻製ベーコン グレイビーソース
こちらは私もいち推しメッチャまいうーでございます。
ボリューム満点のこちらのメニューは“ライス”と“パン”を選べます。
ちなみに“コンフィ”とは、肉に塩をすり込み、ひたひたの油の中で低い温度でじっくり加熱した料理の事を言うそうです。
バターチキンカレー
写真引用:100本のスプーン
②バターチキンカレーと季節の野菜のグリル
今回私が食べたのはこちら。とても美味しゅうございました。
絶妙に配合された様々なスパイスの香り、ここでしか味わえない風味豊かなカレーに仕上がっております。
ふわふわオムライス
写真引用:100本のスプーン
③ふわふわオムライス 特製ハッシュドビーフ
私はこちらを食べたことはないのですが、とっても美味しいそうです。
もうね、見るからに美味しそうですもんね。
次はこちらを食べてみたいと思っています。

・・・おっと
気づいたら午後の部が始まる時間になりましたよ
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【どんな仕事ができれば「全員が」充実感と誇りを持てるか?】
午後からは上記の問いで答えを考えて付箋に書き出していきました。
「皆が無理をしすぎない(スケジュール、仕事量、金額など)」、「お客様にお礼を言って頂けるモノを作れた時」、「難しい仕事をやり遂げて成功した時」、「自身を持ってお客様にご説明出来る」などなど。
これまでの充実感を感じた実例や仕事に対する様々な思いが出てきました。
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そして、皆が書き出した付箋を分類してみると・・・
  • 無理なく利益が出る仕事(安易な値下げはしない、高付加価値の仕事)
  • 関わる人に喜んでもらえる仕事(感動がある仕事、誠実な仕事)
  • 誇りのある仕事(良いモノが出来たねと心から言える)
  • 差異性(さいせい)のある仕事(私達にしか出来ない仕事、品質)
以上の4つのキーワードが浮かび上がってきました。
なるほど・・・
こうした作業で私達が向かうべき方向性がおぼろげながら見えてきました。

そして、それらを踏まえてつづ“アンビシャス・ターゲットツリー”を作成していきました。
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今回、私達は自社の“差異性”に注目し、アンビシャスターゲット(野心的な目標)を「差異性のある会社になる」に設定しました。

ところで“アンビシャス・ターゲットツリー”はご存じですか
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【アンビシャス・ターゲットツリーの作り方】
  1. アンビシャスターゲット(野心的な目標)を決める。出来るかどうかは五分五分、完璧を求めない。
  2. 目標に対する障害を全て挙げる。
    ※挙げる際の注意点 ①事実を書く(憶測ではない)②無関係の人が見ても理解出来る丁寧な文章で書く ③解決可能なものを挙げる ④人と問題を分ける(個人の能力を責めない)
  3. 「障害」が解決した理想の姿=「中間目標」をイメージして書き出す。
    ※新たな中間目標が思いついたら書き足す
  4. 各「中間目標」を“解決する順番”に並べ替える(1番最初に着手するものが1番下)。
  5. 各「中間目標」に対する“解決する為の行動”を必要十分なだけ挙げる。
実は、この時点で私の頭の中は半パニック状態
思考停止に陥る私を横目に、周りの人達がどんどん進めていってくれた感じ。
すごいなぁーと、弊社スタッフ達の優秀さを再認識したひとときでもありました
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アンビシャス・ターゲットツリーで書き出したいくつかの中間目標から、「無駄な時間を探す」、「自社の魅力を知る(絞る)」、「(競合する)他社を知る」の3つを選び、それらを解決する為の具体的な方法を考え、それぞれの役割分担を決めました。
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私に割り当てられた役割分担は「自社の魅力を絞る」です。
それに向けての具体的行動は2つ。とりあえずこちらの2つを実施していきます。
これでは必要十分ではありませんが、今後思いついたら書き足してゆく予定です。

漠然とした目標を漠然とした方法で達成しようとすることは無理のようです。
チームで現在の問題点や今後の課題、目標を話し合い(See)、それらをアンビシャス・ターゲットツリーという手法を用いて、より明確な目標とそれを達成する方法を導き出し(Plan)、それを実行する(Do)。その一連の流れの事を“PDSサイクル”と私達は呼んでいます。
PDSサイクル
何はともあれ、私達の当面の目標は、そのサイクルを止めないことではないでしょうか。
上手くやる以前に、続けなければ意味が無い。

正直ベースでお話すれば、全員で決めた目標に皆で向かうことは、弊社ではいまだかつてなかった文化です。
なので、今は“やらされ感”があるのは否めないところもあり、今後も続けていく為にはそれなりの覚悟が必要かもしれません。

しかし、こういった手法を取り入れることにより、きちんとした結果を出せるように生まれ変わった企業さん(チーム)は多いそうです。

重い鉄の車輪が動き出すように、最初は大きなエネルギ必要だと思いますが、その車輪を回し続けることにより私達を幾つかの小さな成功体験へ連れて行ってくれるはずで、その先にはいまだかつて見たことがない景色が広がっているに違いありません。

果たして“私達にとっての最高のチームワーク"とは何か?
その探究の旅は始まったばかり。

目標達成まではまだまだ程遠いかもしれませんが・・・各々が大きな目標にワクワクした気持ちで向かっていけるような会社になれたら最高だと思います。
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そんなこんなで、あっという間に終わりの時間になりました。
今朝に移動した座席を元にあった位置に戻して、今回の研修会が終了しました。
皆さん、お疲れ様でした。
米澤先生、今回もありがとうございました。
今後ともご指導のほど宜しくお願いいたします。


それでは今回はこの辺で。
今回は少々長くなりましたが、最後までお読み頂きましてありがとうございました。
次回もお楽しみに


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