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ところで、皆様は「集成材」というものはご存じでしょうか?
集成材は当たり前のように住宅に使われている建材ですから、おそらくご存じかと思います。

もちろん私どもが生業とする家具業界においても集成材はとてもポピュラーな材料で、"木工塗装”のご依頼でお客様よりお預かりする“新規で製作された特注家具”や、こちらの写真のような"塗り直し”のご依頼でお預かりする“既製品の家具”(特にテーブルの天板)などでも多く用いられています。
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【集成材(Laminated wood)とは?】
その名からも想像出来るように、複数の板材(Laminar/ラミナ)を接着剤で結合させた人工の木質材料です。
その種類は大きく2種類(建築の“構造材用”と内装の"造作用”)に分けられて、主に建材やテーブルの天板などの家具素材として使用されています。

本来生き物である天然の木材(無垢材)は材種などよってそれぞれ個性があり、その木質は均一的なものではありません。同じ材料(木)であっても、当然部分によってその強度などは異なってきますし、木材自体の乾燥による狂い(反りや縮み、ねじれなど)が大きく、材料の加工方法や使い方でも強度や仕上がりが変わってくるので、その取り扱いには熟練の技が必要です。
【木材の知識】板目と柾目の違いについて
無垢材については以前に当ブログで記事にしましたのでこちらもご参照ください。

【集成材の特徴①】
一方、集成材は厳格な規格と検査基準をもとに品質管理されるので、高い強度と安定性があることが特徴です。節の部分や強度の弱い部分(腐れ)などの欠点を取り除いた木材(ラミナ)が使われ、言わば"良いとこ取り”的な材料とも言えます。
小さくカットされた状態の木材をしっかりと乾燥させてから加工される材料なので、反りなど狂いが出にくく、均一な木質で加工がしやすので、大工さんの腕の差が出にくい素材です。

【集成材の特徴②】
無垢の木材では製作が困難もしくは出来ない(コスト面や物理的に)ような、幅、厚み、長さの部材、大断面の構造部材や湾曲した造作部材などを作ることが出来るようです。
R形状を用いた自由度の高いデザインを具現化することが出来るようですが・・・こちらの動画を観るかぎり、やはりそれなりに大変な労力がかかりそうですね

【集成材の特徴③】
端材をつなぎ合せた感のある集成材は"安価”というイメージがありますが、実は一概にはそうとは言えないようです。
集成材の製造には木材の乾燥工程や接着時の加熱工程などで大きなエネルギーが消費されたり、多くの手間が掛かる分、無垢の木材よりもコスト高になりますし、材料になる木材も“何でも良い”というわけでは無く、最終用途によって選別は必要だからです。
しかしながら、希少価値のある“無垢材”を使うよりは一般的にリーズナブルになる傾向があります。
上手く集成材を活用する一例として「化粧貼り造作用集成材」を用いるという方法があります(上の動画をご参照ください)。
無垢材で用いると高価になるヒノキやケヤキ、チークやウォールナットなどのベニヤ(突き板)を集成材製の基材に貼り付けた造作部材を使用することにより、高級木材を無垢材の感覚でリーズナブルに使用することが出来ます。
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ちなみに冒頭でもご紹介したこちらのテーブルの天板は、タモという材種の集成材が使われていました。
仮にこちらが希少な一枚板の無垢材だとするとかなり高価なものとなってしまうでしょう。

【集成材の特徴④】
集成材は天然の木材を材料としていますが、工場で化学物質(接着剤)を用いて製造される工業製品です。
ゆえに、接着剤の寿命がすなわち集成材の寿命ということになるので、無垢材に比べたら耐用年数が短くなると言われていますが・・・どうなんでしょうか。
集成材が日本で一般的に使われ出してからまだ数十年といったところで、正確な経年データーは無いようなのです。

島根県の出雲市にある"出雲ドーム”は大断面集成材を使った木造の大きな施設なのですが、その耐用年数は100年を想定しているそうですので、一般家庭レベルでも耐久性にはさほど問題は無いと思われます。

接着剤で貼り合わせた材料なので、やはり水に弱いのも特徴。
屋根の張り出し部分(庇/ひさし)などの半屋外的な箇所には、水に強い接着剤を使用した構造用集成材が使用されるようなので、ある程度は問題ないと思われますが、もろに風雨に晒されるような屋外の使用には適さないのでしょう。

以前は、接着剤に含まれるホルムアルデヒドやトルエンといった揮発性有害物質が原因のシックハウス症候群が問題となりましたが、2003年の建築基準法の改正によってホルムアルデヒドの使用が制限されて以来、その被害の数は減少しているようです。

【集成材と無垢材の違いについて】
“集成材”と比較されることが多いのが“無垢材”。
結局どっちが良いのか・・・それは悩ましいところです。
集成材は無垢の木材の代替品のように思われがちですが、前述のとおり、集成材ならではの長所があるからです。

集成材と無垢の木材、それぞれ一長一短の特徴を持ち合わせています。
それぞれのメリット・デメリットについてはネットでお調べ頂ければ載っておりますので、今回のブログでは割愛させて頂きますスミマセン

また選択肢はそれらだけでは無く、他にも様々な合板(ランバー合板、OSB合板、MDFなど)や建材も存在します。
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家具の世界では、天板部分などに集成材を用いて製作することは良くあることですし、あまり目立たない箇所にはリーズナブルなランバー合板やプリント化粧合板などを使い、目立つ部分には高価で高級感のある無垢材や天然木のベニヤ合板などを採用したり、そのような使い分けをしてコストダウンをすることも多いです。
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材料の使い分けで見た目チグハグな感じなった部分は、しっかりとした木工塗装仕上げ(色調整など)を行うことにより全体的にまとまり感を出したりします。
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住宅や家具にはどんな材料を使うべきなのか・・・
やはりそれは、ご予算やご自身の感性などを考慮しつつ、プロの方に相談しながら適材適所で使用するのをおすすめしたいです。


それでは今回はこの辺で。
最後までご覧頂きましてありがとうございました
次回もお楽しみに。


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