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先日、とても立派なテーブルとベンチをお預かりして、塗り直しをさせて頂きましたので、今回はその様子を皆様にご紹介したいと思います。
上の写真の奥の方にあるのがテーブルの天板で脚部は取り外されています。
写真手前にあるのがベンチです。
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テーブル天板の方に近づいてみましょう。
とても分厚くて重量がある、栃(トチ)という材種の無垢材で作られた立派な天板でした。
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テーブルとベンチ、どちらも表面は汚れや擦り傷などで表面が白っぽく見えますし、大小の打痕も無数に付いていました。
やはり写真からでも使用感が伝わってきますね
そう、テーブルとベンチとの色の差も気になります。
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何故かベンチの方が木目が見えないほどの濃い色でした。
もちろんベンチの方もテーブルと同じくトチの無垢材で作られていました。
これではせっかくの美しい木目が見えなくて勿体ないので、今回は薄めの色で仕上げていきます。
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それでは作業を進めていきましょう~
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先ずは、テーブル天板の現状色を覚えておく為に、色見本帳から近似色を見つけて拾って(記録して)おきます。
数値化や言語化が難しい色の記憶というのは曖昧なものなので“現物”で拾います。
現状の色合いや雰囲気のままに綺麗に塗り直しを行う為の大切な作業です。
ちなみに上の写真の“ダークブラウン”という色が1番近かったです。
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特に傷みのひどかった天板部分(テーブル・ベンチ共に)をサンダーという機械で表面を研磨していきます。
既存の傷んだ塗膜はもちろん、木地に付いた凹み傷(打痕)などもある程度削り落としておきます。
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しっかりと研磨をして木地が露わになったテーブルの天板。
希少な“縮み杢目(ちぢみもくめ)”を持つ栃の木でした。
“杢目(もくめ)”とは“木目(もくめ)”の一種で、稀に現れる複雑な模様のものを指しています。
【木材の知識】板目と柾目の違いについて
以前の当ブログ記事で“杢目”について解説していますのでご参照ください。
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3枚接ぎ(はぎ)の栃の木の天板には、ちょうど接ぎ目の位置で黒檀という木で作られた“チギリ”が埋め込まれていました。
上の写真で左側に2つ写っている黒っぽいリボン型のものがチギリと呼ばれるものです。

通常チギリは割れ止めとして用いられ、木地にヒビが入った部分に(ヒビの進行を抑える役割で)入れられるものですが、デザインとしてあえて入れられる場合もあります。
今回のテーブル天板のチギリは割れ止めの役割は無さそうなので、おそらく後者のケースだと思います。
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ベンチの天板の方もしっかりと削り落としました。
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そして、削り落として露わになった木地に着色をしていきます。
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元の色合いに近づけるように調色した着色剤を刷毛で木地に塗布して、ウエス(布)で余分な着色剤を拭き取っていきます。
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木地に着色を施すことにより、縮み杢の複雑な木目が際立ちます。
天板の中に美しく奥深い景色が立ち現れましたね。
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既存の塗装を削り落とさなかった部分(脚部)は、溶剤で拭き取りを行い油脂分を除去し、
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比較的細目のサンドペーパー(320番程度)で表面を研磨し、表面に“足付け”をしておきます。
(これから塗装する塗料の密着性を高める為)
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下準備が終わったら、透明の2液型ポリウレタン樹脂塗料を吹き付け塗装していきます。
乾燥と研磨を挟みながら、表面が平滑になるまで何回も塗装していきます。
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下地を作る段階(下塗り・中塗り)で、凹み傷などの補修をしておきます。
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こちらの色つきの(調色をした)パテを傷に充填しました。
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ヘラを使って傷にパテをシュッとしごき取ります。
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全体を隈無くチェックし、傷を補修していきました。
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こちらが中塗りの工程が完了した様子です。
塗膜の厚みが付いて、表面が平滑になっている感じがお分かりでしょうか?
この時点でこの日の作業は終了です。
しばらく放置し、しっかりと塗料を乾燥させます。

そして後日、仕上げの工程を行いました。
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↑色調整(カラーリング)前
↓色調整(カラーリング)後
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こちらはカラーリングという工程を行った様子です。
表面に調色した染料を吹き付けて、色味を濃くしていきました。
奥行きのある落ち着いた雰囲気にイメージチェンジ

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↑塗り直しを行う前
↓カラーリングを行った後
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カラーリングを行うことにより、元々の色合いに近づけていきます。

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最終的にトップコート(仕上げ用のクリヤー塗料)を吹き付け塗装して仕上がりです。
トップコートにはサンユーペイント株式会社様のセラウッドという高耐久性の塗料を使用しています。

●セラウッド|製品情報|サンユーペイント株式会社
http://www.sanyu-paint.co.jp/product/sp_cerawood

塗膜硬度が高く、キズが付きにくいのが特徴の2液型ポリウレタン樹脂塗料です。
弊社では、天板などの耐久性が求められる箇所にはセラウッドを使用しています。

今回もお客様には大変喜んで頂けたようで良かったです
この度は弊社へ塗り直しをご依頼いただき、誠にありがとうございました。



最後までお読み頂きましてありがとうございました。
ここまでご覧頂いた方にさらにお知らせがあります。

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弊社ではよりご満足して頂ける、気遣いの行き届いた塗り直しをご提供させて頂く為に、日正産業株式会社様と業務提携をさせて頂いております。

出張見積や家具の引き取り・施工後の納品などは日正産業株式会社様が担当。
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私たち塗装部は木工塗装を得意とする職人集団ですが、実務をこなしながらになる営業的な仕事は正直得意ではありませんし、家具運搬等の業務は行っておりません。
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