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毎回家具関係の投稿が多い当ブログですが、今回は少々変わった仕事ををご紹介いたします。
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先日、車の内装の木製部品一式をお預かりして塗り直しをさせて頂いたのです。

お預かりした木製部品一式(インパネ類)はこちら。
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計器盤(インストルメントパネル)の他に、フロントガラス(エアコン吹き出し口)付近のモールディング、ドア部分のモールディングなど。
思いのほか点数が少なく、今時の車には無いシンプルな感じ。
そう、こちらの木製部品一式は、クラシックカーのレストアをされている業者様より塗り直しのご依頼を頂いたもので、お客様の方で取り外して頂いた状態でお預かりいたしました。IMG_6802
ぱっと見は綺麗な状態で、数十年前の車のモノとは思えないほどでした。
大切にお乗りになっていることが伝わってきました。
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とは言え、どんなものも経年変化には抗えないもの。
やはり所々に塗装の劣化や傷などが見受けられました。
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この様に角が欠けてしまっていた部分や、
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割れてしまっていた部分などが数ヶ所あり、これらの補修も行っていきました。
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木製部品たちは、表面にマホガニーという材種の単板(厚目の突き板)が貼られた成型合板で作られていました。
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画像引用:Pen Online
家具の世界でも昔から成型合板はよく使われます。
こういった3次元曲面は蒸気金型を使って(熱と圧力をかけて)成型されるそうです。
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車内という過酷な条件下、長い年月が経っても合板に使われている接着剤がきちんと機能していて、特に大きな破損がないことに驚きます。
しっかりと作り込まれている感がありました。
これらの部品はどのように作られたのだろうか・・・とても興味深いです。
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木製部品の1つに“Mercedes-Benz”の文字が。
あぁ、なるほど・・・しっかりと作られている訳ですな。
流石、ドイツの高度な技術とクラフトマンシップを感じられました

さて、それでは作業を始めていきましょう。
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部品一つ一つ、溶剤を使って拭き掃除をします。
表面に付いている汚れや油脂分などをしっかり除去しておきます。IMG_6816
前記の角が欠けていた部分はパテ(エポキシ樹脂)を充填。
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パテが硬化したら、研磨をして余分なパテを削り落とします。
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パテの部分とその回りの部分との段差が無くなり形が整いました。
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パテの部分に筆で色を差して、スプレーガンで色の微調整を行うと・・・
この様になります。
角が欠けた部分が目立たなくなったでしょ
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前記の割れていた部分にもパテを充填。
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色を差して傷が目立たなくしておきます。
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同じ要領でその他数ヶ所の傷も補修を行いました。
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ひととおり傷の補修が終わったら、部品全ての表面に“足付け”の研磨を行います。
表面に研磨傷を付ける事により、これから塗装する塗料の密着性を高めます。
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いよいよ再塗装を開始します。
塗りやすい様に部品を並べておきます。
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先ずは下塗りを吹き付け塗装します。
使用する塗料は2液型ポリウレタン樹脂のクリヤー塗料です。
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既存の塗膜との相性(“はじき”や“ちぢれ”が出ないかどうか)を見極めつつ、薄塗りかつ乾燥を挟みながら慎重に、艶ありのクリヤー塗料を数回に分けて吹き付け塗装していきました。

この日の作業はこれで終了です。
下塗りのクリヤー塗料をしっかりと乾燥させて下地を固めます。

そして翌日、作業を再開しました。
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再び表面を研磨して、素地を整えておきます。
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さて、カラーリング(色調整)を行っていきましょう。
こちらの調色をした染料を部品の表面に吹き付けていきます。
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日光の紫外線などにより退色した部分に色味を足していきます。
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1番下の部品にご注目。
他の部品より少々色味が薄いですね。
それがカラーリングを行うと・・・
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色味が濃くなり、雰囲気が合いました。
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それぞれの部品を取り付けられるであろう位置に並べてカラーリングを行う事により、全体的な統一感を出していきます。
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カラーリングが終わったら、上塗りのクリヤー塗料を吹き付け塗装をします。
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2日目作業はこれにて終了です。
しっかりとクリヤーを乾燥させます。

そして後日。
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表面を細かいサンドペーパーで(1200番~2500番を段階的に)研磨して表面を整えます。
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コンパウンドを付けて、小物専用の小さなポリッシャーで磨いていきます。

合計3日間かけて行った仕事(作業日数的は約1.5日でしたが)の仕上がりはこちらです。

実は、今回の仕事で意識したのが、“塗り過ぎない”、“磨き過ぎない”ことでした。
クラシックな雰囲気を残しつつ、綺麗になり過ぎないように注意しました。

微妙なニュアンスのなかなか難しい仕事でしたが・・・お客様にはご満足頂けたようで良かったです



最後までお読み頂きましてありがとうございました。
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