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先日、珍しい家具の塗り直しのご依頼を頂きまして。
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お客様よりお預かりしたこちらのダイニングセットは、約45年前(1977年頃)に作られたアンティークで、日本ではあまりお目に掛かることのない逸品です。
今回のブログは、こちらの塗り直しの様子をご紹介したいと思います。
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お預かりした家具は、イタリアの老舗家具ブランドの“BERNINI(ベルニーニ)社”製のものでした。
BERNINI社は15世紀に北イタリアのロンバルディアに設立された最高級木工家具メーカーで、高級材であるブラックチェリーやウォールナットなどを使った家具を作ることで知られています。
今回の家具もそれらの木材が用いられていたと思います(おそらくテーブルがブラックチェリーで、チェアがイタリアンウォールナット)。

日本市場では一昔前、同社の家具は山品木工さんによりライセンス製造されていたようですが、1996年に廃業(工場閉鎖)されており、一部の富裕層に向けた非常に高価な商品だった為に流通量が少ないようです。
ゆえにBERNINIは知る人ぞ知る家具ブランドになっています。
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BERNINI社の家具は著名なデザイナー達がデザインを手掛けており、特にこちらの椅子は有名です。
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こちらの椅子は“765ダイニングチェア”と呼ばれており、カルロ・スカルパ氏(1906年-1978年)によりデザインされました。
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画像引用:tjapan.jp
カルロ・スカルパ氏は20世紀半ばに活躍したイタリアの巨匠建築家で、多くの作品を手掛けたデザイナーです。
実は日本に何度も訪れた親日家で、日本の文化にも影響を受けていたとのこと。
そう聞くと何か親近感がわきます。
こちらは1978年当時(晩年の姿ですね)の彼の写真です。
いかにもイタリアのデザイナーという感じカッチョイイ~
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765ダイニングチェアはスカルパ氏により1934年にデザインされ、当初はベネチアにあるスカルパ氏の自邸のためにデザインされたそう。
BERNINI社により製造されたのが1977年で、1977年のみに生産されたとても貴重なチェアとなっているようです。
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画像引用:ヤフオク!
ちなみに座面には、こちらの様なクッションが置かれる形になっていますが、塗り直し作業のために取り外してあります。

さて、それでは塗り直しを始めていきましょう。
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先ずはテーブルの方に行った作業をご紹介します。
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長年のご使用の割にはとても綺麗な状態でした。
大切に扱っていらっしゃることが伝わってきました。
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天板部分のクローズアップです。
とは言え、やはり細かいキズなどがあり、歴史を感じられました
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その傷んだ塗装に塗膜剥離剤を塗布し、溶かして除去していきます。
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表面を溶剤を使って拭き取った後、サンダーという機械を使って研磨をします。
美しい木目の木地が見えてきましたね。
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テーブルの脚部にも同様の作業を行います。
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前述のように無塗装の状態に戻し、1から再塗装を行っていきました。
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ダイニングチェア6脚の方は、座の部分と背もたれの部分に分解。
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テーブルと同様に、ダイニングチェアの方も既存の傷んだ塗装を除去しました。
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そして、1脚、1脚、丁寧に再塗装を行いました。
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もちろん、背もたれの部分も同時進行で作業。
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数ヶ所あった大きな凹み傷は、エポキシ樹脂のパテを充填。
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筆で木目を描くなどをして補修を行いました。
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再塗装が終了後、分解したダイニングチェアたちを傷を付けないように慎重に組み立てました。

そして・・・
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↑施工前
↓施工後
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元の色合いや雰囲気をなるべく損なわないように再現。
綺麗になったでしょ
表面のしっとりとした艶感が蘇りました。

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↑施工前
↓施工後
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テーブルの天板の表面にあった細かいキズが無くなり、すっきりと木目が見えるようになりました。

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↑施工前
↓施工後
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ダイニングチェアの方も綺麗になりました
長年のご使用で退色していた部分に補色(色調整)を行い、テーブルと同等の雰囲気に合わせました。
白っぽくぼけていたダイニングチェアたちですが、当時の色合いが蘇り、引き締まった印象になりました。

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↑施工前
↓施工後
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背もたれの部分や座面の部分のキズが消えてるでしょ。

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↑施工前
↓施工後
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テーブルとダイニングチェアをセットした状態。
テーブルとダイニングチェアの色合いを合わせたことで統一感が出ました。

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あぁ・・・この角度、流石BERNINIです。
スカルパ氏デザインの独特のフォルムがとても魅力的だと思います
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今回もお客様には大変喜んで頂けたようで良かったです
この度は弊社へ塗り直しをご依頼いただき、誠にありがとうございました。



最後までお読み頂きましてありがとうございました。
ここまでご覧頂いた方にさらにお知らせがあります。

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出張見積や家具の引き取り・施工後の納品などは日正産業株式会社様が担当。
塗り直しの実作業はニシザキ工芸が自社木工塗装専門工場で行います。

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