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前編からの続きです。
今回のブログも引き続き木製玄関建具の塗り直しの様子をご紹介していきます。
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前編ではお客様のご自宅から木製玄関建具を取り外した時の様子や塗り直し前の現状の様子などをご紹介いたしました。
今回の後編では実際の塗り直し作業の様子をご紹介していきます。


お客様のご自宅から取り外した木製玄関建具は弊社の塗装スタジオに搬入し、塗り直し作業を進めていきました。
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比較的傷みの少なかった屋内側の面は現状の塗装を活かすためにマスキングをしておきます。
こちらの面は後ほど作業をします。

先ずは屋外側の面の傷んだ塗装を除去し、無塗装の状態に戻す作業を行いました。
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表面に塗膜剥離剤を塗布していきます。
塗膜剥離剤によって塗装が溶けて浮いてきます。
こちらの薬剤は素肌に付くと火傷をしてしまう劇薬なので、取り扱いには注意が必要です
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浮いてきた塗膜を金ベラやカッターの刃などを使って剥がしていきます。
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このような飾り面縁がある建具の塗膜剥離作業は特に手間が掛かりますが。
ここは焦らずじっくりと、地道に作業していきます
入り隅やR面の部分の塗膜も残らずしっかりと除去します。
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塗装が剥がれてだいぶ木地が見えてきました。
しかしよく見ると、所々まだ薄らと残っています・・・これではいけません
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ですので、表面をサンドペーパーを使って研磨し、残っている塗膜や着色剤を除去していきます。
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よしっこのくらい綺麗になっていたら大丈夫です
独特の赤みを帯びた木地が特徴の花梨、その美しい木目が露わになりました。
こちらの玄関建具は全て花梨の無垢材でしっかりと作り込まれていました。
ゆえにとても重く、取り回しが大変でした
現在このような建具を作るとなると・・・おそらく非常に高価なものとなるでしょう。
なかなかお目に掛かることのない素晴らしい逸品ですね。
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ようやく親子とも屋外側の面の傷んだ塗装を完全に除去する事が出来ました
先ずはこちらの面から再塗装を行っていきます。

木地に着色を行っていきます。
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木材専用の着色剤を使っていきます。
こちらの着色剤は元の色合いになるように調色しました。
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その着色剤を刷毛で塗布し、余分な着色剤をウエス(布)で拭き取ります。
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木地着色が終わったら透明塗料を幾重にも塗り込みしっかりと塗膜をつけていきます。
ちなみに使用した塗料は木製品用の2液型ポリウレタン塗料です。
屋外に面する玄関建具ですので、通常の塗料ではなく、耐候性の高い特殊な塗料を使用いたしました。
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色調整を行いながら仕上げいくとこの様な感じに。
屋外側の面が仕上がったら、次は屋内側の面も再塗装をしていきます。
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仕上がった屋外側の面が汚れない様にマスキングをした後にひっくり返します。
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こちらが室内側の面。
そう、一番最初にビニールのシートでマスキングした面です。
ビニールのマスキングを剥がして、作業を開始していきました。
溶剤で表面を拭き取り、汚れや油脂分などを除去。
凹み傷などをパテで補修し、全体的に足付けの研磨を行い塗料の密着性を高めた後に再塗装を行いました。

塗り込みの際、上下の木口部分にもしっかりと塗膜を付けて防水しておくのがポイント。
そのようなちょっとした配慮で木製玄関建具をより長持ちさせることが出来ます。

そしてこの様な感じに。
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屋外側の面と同様に仕上がったでしょ?

それでは、施工前と施工後を比べてみましょう。
以下の写真は比較的傷みのひどかった屋外側の面のものです。
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↑施工前
↓施工後
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よしっ綺麗になりました
花梨の美しい木目が見えるようになりました。
かなりイメージが変わりましたね。

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↑施工前
↓施工後
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近くで見ると花梨の複雑な木目が分かります。
重厚なデザインと相まってとても高級感のある仕上がりになりました。

そして・・・
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仕上がった玄関建具はお客様のご自宅へ無事に納品することが出来ました。
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今回もお客様に大変喜んで頂けたようで良かったです
この度は弊社へ塗り直しをご依頼いただき、誠にありがとうございました。



最後までお読み頂きましてありがとうございました。
ここまでご覧頂いた方にさらにお知らせがあります。

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