当ブログをご覧頂きまして誠にありがとうございます。
今回のブログは、経年劣化した“象嵌テーブル”が輝きを取り戻してゆく様子をご紹介したいと思います。

施工前に写真を撮り忘れたもので、作業中の写真からですみません

家具塗り直しのご依頼で、お客様よりお預かりしたテーブルはこちら。
象嵌の入ったオーバル(楕円)型のダイニングテーブルです。
【象嵌(ぞうがん)とは?】
ご存じかと思いますが、象嵌(象眼)は工芸技法のひとつ。

象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味で、一つの作品に異素材をはめ込む技法です。
はめ込む素材としては金属、彩色した木材や骨片、貝殻や陶磁器なども用いられます。
薄く剥いだ貝殻をはめ込んだものは螺鈿(らでん)と呼びますね。
螺は“貝”のことを指し、鈿は“象嵌”のことを指すそうです。

こちらのテーブルには、美しい象嵌(木工象嵌)が施されていましたが・・・
塗膜のひび割れと白濁のせいであまり見えない状態でした。
塗装されていたのはポリエステル樹脂塗料。
ポリエステル樹脂塗装は、厚くて硬度が高い塗膜を得られるので傷が付きにくい反面、木地の収縮に追従しにくいので、経年劣化で塗膜の割れが発生したり、塗膜が白っぽく変色(白化現象)を起こす場合があるものです。
先ずは、その劣化した塗装を剥がしていきます。

“塗膜剥離剤”という薬剤を全面に塗り広げます。
そう、先程の写真で途中まで塗っていたものはこの薬剤でした。
薬剤が目に入らないよう、素肌に付かないように。
こちらの薬剤は劇薬なので、取り扱いには万全の注意が必要です。

剥離剤がしっかり浸透するように、表面にラップをかけてしばらく放置します。
少々気持ち悪い画になってしまい恐縮なのですが・・・

溶けてきたでしょ。
柔らかくなった部分を除去してきます。
しかしながら、強靱なポリエステル樹脂塗装は一筋縄ではいかない場合が多い

下の層にまだ塗膜が残っているのが見えると思います。
なので、上記の工程を数回繰り返して、完全に塗膜を剥がしていきます。

よしっ
だいぶ剥がれてきました。
塗膜が頑固で残ったところは部分的に剥離剤塗布&ラップして対処。

コラージュのようにランダムに貼られた突き板が独特な雰囲気を醸し出します。
木地の材種は・・・ウォールナット?ブビンガ?それともチェリー?
恥ずかしながら、私には良く分からないのですが
もしかして複数の材種の突き板を貼り分けているのかもしれませんね。

劣化した塗装が除去出来たら、表面の研磨を行い木地を整えます。

木地着色の様子です。
調色した着色剤を刷毛で塗布。

余分な着色剤をウエス(布)で拭き取ります。
すると、木目が際立ってきます。

ウッドシーラー(下塗り)を吹き付け塗装している様子です。
使用している塗料は、耐久性の高い“2液型ポリウレタン樹脂塗料”です。

木目や象嵌の赤い色まではっきりと見えるようになったでしょ?


ウッドシーラーをしっかりと乾燥させたら、表面を研磨。

さらにシーラーを塗り込みます。
上記の工程(塗装と研磨)を数回繰り返して、厚くて強靱な下地を作っていきます。

下地の工程が終わった様子がこちら。
研磨を繰り返すことにより、平滑な塗膜が出来ました。
そして、トップコート用のクリヤー塗料を塗装して仕上げていきます。

トップコートにはサンユーペイントさんのセラウッドを塗装しました。
●セラウッド|製品情報|サンユーペイント株式会社
http://www.sanyu-paint.co.jp/product/sp_cerawood
塗膜硬度が高く、キズが付きにくいのが特徴の2液型ポリウレタン樹脂塗料です。
弊社では、天板などの耐久性が求められる箇所にはセラウッドを使用しています。

↑施工前
↓施工後


今回もお客様にご満足を頂けたようで良かったです

・
・
・
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
ここまでご覧頂いた方にさらにお知らせがあります。
【塗り直しをご検討のお客様へ】
弊社ではよりご満足して頂ける、気遣いの行き届いた塗り直しをご提供させて頂く為に、日正産業株式会社との業務提携をしております。
見積や家具等の引き取り・施工後の納品などは日正産業株式会社が担当。
塗り直しの実作業はニシザキ工芸が自社木工塗装専門工場で行います。
家具のお引き取りから納品まで。
日正産業株式会社を窓口とする一貫した快適なサービスをご提供いたします。
●インテリアドクター・日正産業株式会社ホームページ
https://nissei-sangyo.co.jp/
ニシザキ工芸塗装部は木工塗装を得意とする職人集団ですが、実務をこなしながらになる営業的な仕事は正直得意ではありませんし、家具運搬等の業務も行っておりません。
それらの点を補い、実作業の面はもとより一貫してより質の高い塗り直しをご提供させて頂く為の業務提携です。
※窓口一本化のため、「家具塗り直しに関するお問い合わせ」は上記の日正産業株式会社にて承っております。
基本的に弊社では対応を行っておりません。
ご理解の上、お問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。
●ニシザキ工芸株式会社塗装部HP
https://tosou.nishizaki.co.jp/
●特注家具・ニシザキ工芸株式会社HP
https://www.nishizaki.co.jp/
今回のブログは、経年劣化した“象嵌テーブル”が輝きを取り戻してゆく様子をご紹介したいと思います。

施工前に写真を撮り忘れたもので、作業中の写真からですみません


家具塗り直しのご依頼で、お客様よりお預かりしたテーブルはこちら。
象嵌の入ったオーバル(楕円)型のダイニングテーブルです。
【象嵌(ぞうがん)とは?】
ご存じかと思いますが、象嵌(象眼)は工芸技法のひとつ。

象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味で、一つの作品に異素材をはめ込む技法です。
はめ込む素材としては金属、彩色した木材や骨片、貝殻や陶磁器なども用いられます。
薄く剥いだ貝殻をはめ込んだものは螺鈿(らでん)と呼びますね。
螺は“貝”のことを指し、鈿は“象嵌”のことを指すそうです。

こちらのテーブルには、美しい象嵌(木工象嵌)が施されていましたが・・・
塗膜のひび割れと白濁のせいであまり見えない状態でした。
塗装されていたのはポリエステル樹脂塗料。
ポリエステル樹脂塗装は、厚くて硬度が高い塗膜を得られるので傷が付きにくい反面、木地の収縮に追従しにくいので、経年劣化で塗膜の割れが発生したり、塗膜が白っぽく変色(白化現象)を起こす場合があるものです。
先ずは、その劣化した塗装を剥がしていきます。

“塗膜剥離剤”という薬剤を全面に塗り広げます。
そう、先程の写真で途中まで塗っていたものはこの薬剤でした。
薬剤が目に入らないよう、素肌に付かないように。
こちらの薬剤は劇薬なので、取り扱いには万全の注意が必要です。

剥離剤がしっかり浸透するように、表面にラップをかけてしばらく放置します。
少々気持ち悪い画になってしまい恐縮なのですが・・・

溶けてきたでしょ。
柔らかくなった部分を除去してきます。
しかしながら、強靱なポリエステル樹脂塗装は一筋縄ではいかない場合が多い


下の層にまだ塗膜が残っているのが見えると思います。
なので、上記の工程を数回繰り返して、完全に塗膜を剥がしていきます。

よしっ

塗膜が頑固で残ったところは部分的に剥離剤塗布&ラップして対処。

コラージュのようにランダムに貼られた突き板が独特な雰囲気を醸し出します。
木地の材種は・・・ウォールナット?ブビンガ?それともチェリー?
恥ずかしながら、私には良く分からないのですが

もしかして複数の材種の突き板を貼り分けているのかもしれませんね。

劣化した塗装が除去出来たら、表面の研磨を行い木地を整えます。

木地着色の様子です。
調色した着色剤を刷毛で塗布。

余分な着色剤をウエス(布)で拭き取ります。
すると、木目が際立ってきます。

ウッドシーラー(下塗り)を吹き付け塗装している様子です。
使用している塗料は、耐久性の高い“2液型ポリウレタン樹脂塗料”です。

木目や象嵌の赤い色まではっきりと見えるようになったでしょ?



ウッドシーラーをしっかりと乾燥させたら、表面を研磨。

さらにシーラーを塗り込みます。
上記の工程(塗装と研磨)を数回繰り返して、厚くて強靱な下地を作っていきます。

下地の工程が終わった様子がこちら。
研磨を繰り返すことにより、平滑な塗膜が出来ました。
そして、トップコート用のクリヤー塗料を塗装して仕上げていきます。

トップコートにはサンユーペイントさんのセラウッドを塗装しました。
●セラウッド|製品情報|サンユーペイント株式会社
http://www.sanyu-paint.co.jp/product/sp_cerawood
塗膜硬度が高く、キズが付きにくいのが特徴の2液型ポリウレタン樹脂塗料です。
弊社では、天板などの耐久性が求められる箇所にはセラウッドを使用しています。

↑施工前
↓施工後


今回もお客様にご満足を頂けたようで良かったです


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最後までお読み頂きましてありがとうございました。
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【塗り直しをご検討のお客様へ】
弊社ではよりご満足して頂ける、気遣いの行き届いた塗り直しをご提供させて頂く為に、日正産業株式会社との業務提携をしております。
見積や家具等の引き取り・施工後の納品などは日正産業株式会社が担当。
塗り直しの実作業はニシザキ工芸が自社木工塗装専門工場で行います。
家具のお引き取りから納品まで。
日正産業株式会社を窓口とする一貫した快適なサービスをご提供いたします。
●インテリアドクター・日正産業株式会社ホームページ
https://nissei-sangyo.co.jp/
ニシザキ工芸塗装部は木工塗装を得意とする職人集団ですが、実務をこなしながらになる営業的な仕事は正直得意ではありませんし、家具運搬等の業務も行っておりません。
それらの点を補い、実作業の面はもとより一貫してより質の高い塗り直しをご提供させて頂く為の業務提携です。
※窓口一本化のため、「家具塗り直しに関するお問い合わせ」は上記の日正産業株式会社にて承っております。
基本的に弊社では対応を行っておりません。
ご理解の上、お問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。
●ニシザキ工芸株式会社塗装部HP
https://tosou.nishizaki.co.jp/
●特注家具・ニシザキ工芸株式会社HP
https://www.nishizaki.co.jp/
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