当ブログをご覧頂きまして誠にありがとうございます。
今回のブログは鉄媒染(てつばいせん)についてご紹介したいと思います。
標題のとおり、「鉄媒染について」の記事を投稿するのは今回で3回目です。
1回目の記事はこちら。2021年3月6日の投稿でした。
初めて鉄媒染に出会った頃の、初々しさ溢れる内容です

鉄媒染で染色した家具の存在を知り、その独特の風合いを再現してみようと、市販の媒染液を購入してきて試してみたのが始まり。
こちらが2回目の投稿。2022年8月28日のことでした。
前回の小実験を踏まえ、一歩踏み込んだ内容となっています。
鉄媒染液を自作したり、様々な樹種の木地で鉄媒染を試しました。
これらの記事が思いのほかご好評を頂いておりまして。
今でも沢山のアクセスがあり、多くの方にご覧頂いております。
ありがたいことに、記事をご覧頂いた方からのお問い合わせをいくつか頂き、わざわざ弊社に足を運んで頂いた方もいらっしゃいました。

様々な業界でナチュラル志向が高まる昨今、天然素材を使った染色技術の一つである“鉄媒染”は、皆様の関心の高い話題であることを実感しています。
一昨年、去年と「鉄媒染について」を投稿してきましたからね。
やはり、新年を迎える前に今年も一発やっておかねばと思い立ちまして
今後も折を見て触れていきたと思っております。
とりあえず、“鉄媒染”とは一体どんなものなのか
ざっくりとおさらいしていきましょう。

●鉄媒染とは?
錆びた鉄クギなどから抽出した鉄分を含んだ媒染液を媒介として、色の発色や定着を促します。
主に草木染めで用いられる方法です。
鉄分を含んだ媒染液に布を浸し、染め付けると、鉄媒染独特の黒っぽい色合いに変化します。
●草木染めってなに?
「草木染め」という呼び名は、昭和になってから生まれた新しいものですが、植物の色素を使って染色する方法は古くからありました。
昔は「すり染め」と言って、植物の生葉や樹皮・根などから出る液を、布の上に擦りつけるといったごく単純なものでした。しかし、ただ擦りつけるだけですから、美しい色でもすぐに変化・退色してしまいました。
こうした中で、平安時代の頃から鉄や銅・ミョウバン(アルミ)などが含まれている液に、染めた布を浸すと色が発色・定着することが見つけ出され、今日のように、植物の色素を煮出して抽出し、金属の含まれた水溶液につけて発色・定着(媒染)する方法が生まれました。
※上記文章は漢方薬のきぐすり.comさんより引用させて頂きました。
こちらの画像は草木染めナビさんから拝借しました。
背高泡立草(せいたかあわだちそう)という植物の花から抽出した色素で染めた生地を様々な媒染液で媒染したものですが、それぞれ発色が違うのが分かります。
鉄媒染のものは、やはり黒っぽくなってますね。
●木材塗装にも応用できる鉄媒染
木材に鉄媒染液を塗布すると、内部に含まれる“タンニン”という成分と反応して、黒っぽく染まっていきます。

写真はオーク(日本名は「楢」なら)という材種の木材に鉄媒染液を塗布した様子です。
オークはタンニン成分が多く含まれている材種なので、媒染液だけでも黒く発色します。

タンニン成分が少ない樹種を染めたい場合や、より濃い色に染めたいときは、柿渋、お茶や夜叉五倍子(やしゃぶし)を水で煮出したものなどを予め塗布して、木地にタンニン成分を補充したりします。
・
・
そして、今回の小実験で鉄媒染を試してみたのはこちら。

針葉樹系の無垢材のサンプル板です。
表面に意匠加工されている木材ですが・・・詳細は秘密です。
写真右側から順に、赤味のもの、白太のもの、それらの中間のものと、それぞれ木地の色合いが違うものを用意しました。

無塗装の部分をマスキングテープで貼り残しておきます。

針葉樹はタンニン成分の含有量が少ない場合が多いので、予め柿渋を塗布しました。

写真左側が未塗装、右側が柿渋塗装済みのサンプル板です。
柿渋の色(薄い赤茶色)が木地に付いているのが分かります。

3枚すべてに柿渋を塗布しましたの図。
このまま放置し、乾燥させます。

柿渋が乾いたら、真ん中あたりにマスキングテープを貼っておきます。

上の方のマスだけに2回目の柿渋を塗布しました。

3枚すべてに2回目の柿渋を塗布したの図。
こちらも完全に乾くまで放置します。

柿渋までの部分をマスキングテープで貼り残しておきました。

柿渋1度目の部分より2度目の部分の方が色が濃くなってますね。
柿渋を塗り重ねている分、タンニン成分も多くなっているはず。
そして、いよいよ鉄媒染液を塗布していきます。
鉄媒染液は自家製で、食酢にスチールウールを投入し1週間くらい放置したもの。
(詳しくは前回Part.2の小実験を参照)

鉄媒染液自体は少々さび色っぽい色をしていますが透明です。
その透明な液体を塗ると、あら不思議。
木地の中のタンニン成分とすぐに反応して、一気に黒く染まっていきます。

3枚すべてに鉄媒染液を塗布したの図。
こう見ると、木地の色合い(赤味・白太・中間)にはあまり影響を受けないようです。
同じように黒っぽく染まりましたね。

やはり、上のマスの柿渋2回目の方が若干濃い色になりました。
今回の小実験では、“柿渋”の塗布回数で色の濃さを調整出来ることが分かりました。
前回Part.2の小実験では、"媒染液”を水で薄めて濃度を変えることで、色の濃さを調整することに成功しました。
おそらくですが・・・“柿渋”を水で薄めて濃度を変えることでも、色の濃さを調整することが出来るかもしれません。
次回の小実験では、段階的な色の濃さの調整方法や、その色味の変え方(青っぽかったり、赤っぽかったり)などにチャレンジできたらと思います。
それにしても、色味は変えられるものなのだろうか
さて、どうなることやら。
・
・
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
次回もお楽しみに。
●ニシザキ工芸株式会社塗装部HP
https://tosou.nishizaki.co.jp/
●特注家具・ニシザキ工芸株式会社HP
https://www.nishizaki.co.jp/
今回のブログは鉄媒染(てつばいせん)についてご紹介したいと思います。
標題のとおり、「鉄媒染について」の記事を投稿するのは今回で3回目です。
1回目の記事はこちら。2021年3月6日の投稿でした。
初めて鉄媒染に出会った頃の、初々しさ溢れる内容です

鉄媒染で染色した家具の存在を知り、その独特の風合いを再現してみようと、市販の媒染液を購入してきて試してみたのが始まり。
こちらが2回目の投稿。2022年8月28日のことでした。
前回の小実験を踏まえ、一歩踏み込んだ内容となっています。
鉄媒染液を自作したり、様々な樹種の木地で鉄媒染を試しました。
これらの記事が思いのほかご好評を頂いておりまして。
今でも沢山のアクセスがあり、多くの方にご覧頂いております。
ありがたいことに、記事をご覧頂いた方からのお問い合わせをいくつか頂き、わざわざ弊社に足を運んで頂いた方もいらっしゃいました。

様々な業界でナチュラル志向が高まる昨今、天然素材を使った染色技術の一つである“鉄媒染”は、皆様の関心の高い話題であることを実感しています。
一昨年、去年と「鉄媒染について」を投稿してきましたからね。
やはり、新年を迎える前に今年も一発やっておかねばと思い立ちまして
今後も折を見て触れていきたと思っております。
とりあえず、“鉄媒染”とは一体どんなものなのか
ざっくりとおさらいしていきましょう。

●鉄媒染とは?
錆びた鉄クギなどから抽出した鉄分を含んだ媒染液を媒介として、色の発色や定着を促します。
主に草木染めで用いられる方法です。
鉄分を含んだ媒染液に布を浸し、染め付けると、鉄媒染独特の黒っぽい色合いに変化します。
●草木染めってなに?
「草木染め」という呼び名は、昭和になってから生まれた新しいものですが、植物の色素を使って染色する方法は古くからありました。
昔は「すり染め」と言って、植物の生葉や樹皮・根などから出る液を、布の上に擦りつけるといったごく単純なものでした。しかし、ただ擦りつけるだけですから、美しい色でもすぐに変化・退色してしまいました。
こうした中で、平安時代の頃から鉄や銅・ミョウバン(アルミ)などが含まれている液に、染めた布を浸すと色が発色・定着することが見つけ出され、今日のように、植物の色素を煮出して抽出し、金属の含まれた水溶液につけて発色・定着(媒染)する方法が生まれました。
※上記文章は漢方薬のきぐすり.comさんより引用させて頂きました。
こちらの画像は草木染めナビさんから拝借しました。
背高泡立草(せいたかあわだちそう)という植物の花から抽出した色素で染めた生地を様々な媒染液で媒染したものですが、それぞれ発色が違うのが分かります。
鉄媒染のものは、やはり黒っぽくなってますね。
●木材塗装にも応用できる鉄媒染
木材に鉄媒染液を塗布すると、内部に含まれる“タンニン”という成分と反応して、黒っぽく染まっていきます。

写真はオーク(日本名は「楢」なら)という材種の木材に鉄媒染液を塗布した様子です。
オークはタンニン成分が多く含まれている材種なので、媒染液だけでも黒く発色します。

タンニン成分が少ない樹種を染めたい場合や、より濃い色に染めたいときは、柿渋、お茶や夜叉五倍子(やしゃぶし)を水で煮出したものなどを予め塗布して、木地にタンニン成分を補充したりします。
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そして、今回の小実験で鉄媒染を試してみたのはこちら。

針葉樹系の無垢材のサンプル板です。
表面に意匠加工されている木材ですが・・・詳細は秘密です。
写真右側から順に、赤味のもの、白太のもの、それらの中間のものと、それぞれ木地の色合いが違うものを用意しました。

無塗装の部分をマスキングテープで貼り残しておきます。

針葉樹はタンニン成分の含有量が少ない場合が多いので、予め柿渋を塗布しました。

写真左側が未塗装、右側が柿渋塗装済みのサンプル板です。
柿渋の色(薄い赤茶色)が木地に付いているのが分かります。

3枚すべてに柿渋を塗布しましたの図。
このまま放置し、乾燥させます。

柿渋が乾いたら、真ん中あたりにマスキングテープを貼っておきます。

上の方のマスだけに2回目の柿渋を塗布しました。

3枚すべてに2回目の柿渋を塗布したの図。
こちらも完全に乾くまで放置します。

柿渋までの部分をマスキングテープで貼り残しておきました。

柿渋1度目の部分より2度目の部分の方が色が濃くなってますね。
柿渋を塗り重ねている分、タンニン成分も多くなっているはず。
そして、いよいよ鉄媒染液を塗布していきます。
鉄媒染液は自家製で、食酢にスチールウールを投入し1週間くらい放置したもの。
(詳しくは前回Part.2の小実験を参照)

鉄媒染液自体は少々さび色っぽい色をしていますが透明です。
その透明な液体を塗ると、あら不思議。
木地の中のタンニン成分とすぐに反応して、一気に黒く染まっていきます。

3枚すべてに鉄媒染液を塗布したの図。
こう見ると、木地の色合い(赤味・白太・中間)にはあまり影響を受けないようです。
同じように黒っぽく染まりましたね。

やはり、上のマスの柿渋2回目の方が若干濃い色になりました。
今回の小実験では、“柿渋”の塗布回数で色の濃さを調整出来ることが分かりました。
前回Part.2の小実験では、"媒染液”を水で薄めて濃度を変えることで、色の濃さを調整することに成功しました。
おそらくですが・・・“柿渋”を水で薄めて濃度を変えることでも、色の濃さを調整することが出来るかもしれません。
次回の小実験では、段階的な色の濃さの調整方法や、その色味の変え方(青っぽかったり、赤っぽかったり)などにチャレンジできたらと思います。
それにしても、色味は変えられるものなのだろうか
さて、どうなることやら。
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それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
次回もお楽しみに。
●ニシザキ工芸株式会社塗装部HP
https://tosou.nishizaki.co.jp/
●特注家具・ニシザキ工芸株式会社HP
https://www.nishizaki.co.jp/

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