当ブログをご覧頂きまして誠にありがとうございます。

新年、あけましておめでとうございます。
本年も“工房日誌2”をご愛読頂けたら幸いです。

2024年は辰年。
辰年は激動の年になると言われていますが、年始から能登半島での大地震や羽田空港での航空機の衝突事故など、とても痛ましくショッキングな出来事が起きましたね
被災者の方々が1日でも早く平穏な暮らしに戻れるように心より祈念いたします。

関東大震災の再来が言われて久しいですが、人工が密集する東京で同様の地震が起きたとしたら・・・
恐ろしいイメージしか沸きません
改めて災害への意識が強くなる今日この頃です。

何はともあれ、2024年が皆様にとって素敵な1年であります様に。
また、健やかな1年であります様に。


o0302040012602444001o0302040012602444003
画像引用:In Season Style
皆様は“プリンセス(お姫様)スタイル”と呼ばれる家具をご存じでしょうか?
このようなテイストの椅子などを1度はご覧になったことがあるかもしれません。
アンティークな雰囲気を演出する白っぽい塗装が施された、ヨーロピアン調のクラシックなデザインの家具がそう呼ばれます。

新年最初のブログは、長年ご愛用されたプリンセススタイルの椅子が、新たなる輝きを取り戻してゆく様子をご紹介します。
IMG_4463
お客様よりお預かりした品物はこちらです。
奥の2脚が肘掛け付きのもの、手前の2脚が肘掛け無しのもので、計4脚のご依頼でした。
背もたれや座面などのファブリック部分は張り替えのために取り外されています。
IMG_4464
猫脚、お花の彫り込みが特徴的なエレガントなデザインですよね。
安価なものに良くありがちな簡易的なデザインのものでは無く、リアルなデザインでしっかりと作り込まれています。
白っぽいアンティークな雰囲気の塗装がされているのが分かると思います。
IMG_4461
背もたれトップのクローズアップです。
長年のご使用で塗装が取れてしまっているのが見て取れます。
特にこちらの部分は良く手の触れる部分ですから。
IMG_4454
先ずは全体的に溶剤で拭き取りを行い、表面の汚れや油脂分をしっかりと除去していきます。
手掛けの部分も良く手が触れるので、擦れて塗装が無くなってしまっています。
IMG_4474
そして、全体的にサンドペーパーで研磨していきます。
こちらは塗料の密着性を高めるための工程です。
写真は“サンドボール”という特殊なサンドペーパーを使っています。
IMG_4479
特に傷みのひどかった部分(擦れて塗装が取れしまい、木地に汚れが染みこんで黒くなった部分)は、木地色に調色した塗料を吹き付けることで“シミ”を目立たなくします。
お化粧でいうとコンシーラー的な役割の工程です。
IMG_4485
下塗り(サンディングシーラー)を吹き付け塗装している様子です。
塗膜厚を付けるための透明塗料です。
耐久性の高い、2液型ポリウレタン樹脂塗料を使用しました。
IMG_4488
下塗りを十分に乾燥させたら、白い顔料を吹き付けていきます。
IMG_4499
全体的にまんべんなく吹き付けて、白っぽくします。

そして、表面の白い顔料を研磨し、徐々に削り落して表情をつけていきます。
IMG_4500
↑研磨前
↓研磨後
IMG_4504
こうしてアンティークな雰囲気を再現していきました。
表面を削ることで、凸の部分が取れて、凹の部分が残ります。
また、削り具合を変えながらグラデーションをつけて、微妙な表情を表現します。
弊社ではこのような手法を“ホワイトパウダー仕上げ”と呼んでいます。
施工する木工塗装屋さんによって、呼び方や方法などは違うとは思いますが。

この後、仕上げ用の透明塗料を吹き付けて完成です
IMG_4503
柔らかい雰囲気に仕上がったでしょ?

IMG_4464
↑施工前
↓施工後
IMG_4511
明るい雰囲気になりました。
長年のご使用により擦れて取れた白っぽさを補充した感じです。

IMG_4461
↑施工前
↓施工後
IMG_4505
黄色っぽく変色していた白が、すっきりとした白に
使用感が和らいだでしょ。

IMG_4459
↑施工前
↓施工後
IMG_4509
傷みのひどかった手掛け部分もこのとおりです。

IMG_4521
塗り直し後、新しく張り替えたファブリック部分を取り付け、お客様に納品させて頂きました。
また次の10年、20年とご愛用頂けたら幸いです。

今回もお客様にご満足を頂けたようで良かったです



最後までお読み頂きましてありがとうございました。
ここまでご覧頂いた方にさらにお知らせがあります。

【塗り直しをご検討のお客様へ】

弊社ではよりご満足して頂ける、気遣いの行き届いた塗り直しをご提供させて頂く為に、日正産業株式会社との業務提携をしております。

見積や家具等の引き取り・施工後の納品などは日正産業株式会社が担当。
塗り直しの実作業はニシザキ工芸が自社木工塗装専門工場で行います。

家具のお引き取りから納品まで。
日正産業株式会社を窓口とする一貫した快適なサービスをご提供いたします。

●インテリアドクター・日正産業株式会社ホームページ
https://nissei-sangyo.co.jp/

ニシザキ工芸塗装部は木工塗装を得意とする職人集団ですが、実務をこなしながらになる営業的な仕事は正直得意ではありませんし、家具運搬等の業務も行っておりません。
それらの点を補い、実作業の面はもとより一貫してより質の高い塗り直しをご提供させて頂く為の業務提携です。

※窓口一本化のため、「家具塗り直しに関するお問い合わせ」は上記の日正産業株式会社にて承っております。
基本的に弊社では対応を行っておりません。


ご理解の上、お問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。


●ニシザキ工芸株式会社塗装部HP
https://tosou.nishizaki.co.jp/

●特注家具・ニシザキ工芸株式会社HP
https://www.nishizaki.co.jp/