当ブログをご覧頂きまして誠にありがとうございます。
つい先日、とても「面白い仕事」を納品させて頂きました。
今回から数回に分けて、その始終の様子をご紹介していきたいと思います。

そう、あれは・・・去年の春(2023年3月)頃だったと思います。
とあるお得意様より、「車の“ボンネット”を"漆塗り"で塗り替えたい」というご相談を頂きました。
もの凄くニッチで、半端ないこだわりを感じるご相談。
当初、お断りしようかとも思いましたが・・・
私たちは特注家具屋の塗装職人ですし、普段からBespokeなものづくりを生業としている訳で。
ここは有り難くチャレンジさせて頂くことに決めました。
あれから1年半あまり。
お客様との対話を重ねて、時間と手間を惜しみなく投入し、ご要望にお応えした「作品」と呼べる逸品が出来上がりました。
おそらく、この様なご要望や実例などはあまり見聞することはないかもしれませんね。
やはり・・・言葉を並べたところであまり伝わらないと思います。
どんなものか気になりますよね?
百聞は一見にしかずと言いますし。
いきなりですが、思い切って完成品からお見せしちゃいましょう


こちらはドイツの自動車メーカーであるVolkswagen(フォルクスワーゲン)のPolo GTI(ポロ)という車です。
お客様はサーキット走行(レース)が趣味とのことで、各所カスタマイズが施されておりました。
車好きにはたまりませんね。

うん、カッコイイ~


レーシーなデザインのボンネットが車体にマッチしていますね。
耐候性の高い特殊な漆を用いて、3種類の漆塗りの技法(色合い)を用いて塗り分けました。
詳細については後ほどご紹介したいと思っています。
初めに、お客様からは大まかなデザインを表したアイデアスケッチと、「溜塗(ためぬり)」というキーワードを頂いておりました。
溜塗とは漆塗りの技法の一つ。

黒や朱といった色漆そのものの色ではなく、表層に褐色味の強い透明な漆(主に朱合漆/しゅあいうるし)を幾度も塗り重ねていき、奥行きのある色合いを表現します。
ボンネットには、そのような仕上りを取り入れたいとの事でした。
この仕事に着手するにあたり、やはり先ずは“本物の溜塗”を見ておくべきですね。
そして足を運んだのがこちら。

東京の代官山にある山田平安堂さん。
知る人ぞ知る、老舗の漆器屋さんです。
こちらで漆器を見せて頂き、色々とお話しを伺うことが出来ました。
その節は大変お世話になりましたm(_ _)m
溜塗と言っても、その表情は様々です。
漆器の産地や漆芸作家さんによっても、色合いなどが違います。
また漆の特徴として、年月が経つことによりその色合いが変わってきます。

こちらの溜塗は、朱漆を塗ったあとに、透き漆(朱合漆)を塗り重ねて仕上げることで現れる色調です。
下地に朱が塗ってあるから、これを「朱溜(しゅだめ)」と言います。

こちらは、木地に漆を染みこませて固めたあと、下地などで木の肌を隠してしまわずに、木地の上にそのまま透き漆(朱合漆など)を塗り重ねることで色合いを表現しています。
これを「木地溜(きじだめ)」と言い、木目を楽しめるのが特徴です。

新品の溜塗の場合、縁などに朱が透けて見えるが、黒塗と思われるくらい透明感のないものがあります。
これは、年月が経つことで透明感が出てきます。
先程お見せした写真を例にすると・・・

こちらの黒塗りの表情のものが、年月を経ると・・・

表層の透き漆の黒っぽさがだんだん薄くなり、透けてこの様に変わってきます。
こういった経年変化が楽しめるのも、漆の魅力だと思います。

こちらのお椀は、薄っすらと見える下地の朱のグラデーションが美しいですよね。
漆独特のしっとりとした触り心地も良い感じです。
下地の色や、透き漆の塗り方を変えたりすると・・・

こういった雰囲気にも仕上がるから驚きです。
なんとも魅力的ですよね。

私的には、こちらの雰囲気も気に入りました


うーん・・・見れば見るほど、その奥深さにハマってしまいます

さて、どうしたものか・・・お客様にどういった提案をすればいいのだろうか。
・・・迷います。
しかし、まだこの仕事は始まったばかり。
ここは焦らずにじっくりといきましょう。
次回、Part.2 に続きます。
・
・
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
次回もお楽しみに
●ニシザキ工芸株式会社塗装部HP
https://tosou.nishizaki.co.jp/
●特注家具・ニシザキ工芸株式会社HP
https://www.nishizaki.co.jp/
つい先日、とても「面白い仕事」を納品させて頂きました。
今回から数回に分けて、その始終の様子をご紹介していきたいと思います。

そう、あれは・・・去年の春(2023年3月)頃だったと思います。
とあるお得意様より、「車の“ボンネット”を"漆塗り"で塗り替えたい」というご相談を頂きました。
もの凄くニッチで、半端ないこだわりを感じるご相談。
当初、お断りしようかとも思いましたが・・・
私たちは特注家具屋の塗装職人ですし、普段からBespokeなものづくりを生業としている訳で。
ここは有り難くチャレンジさせて頂くことに決めました。
あれから1年半あまり。
お客様との対話を重ねて、時間と手間を惜しみなく投入し、ご要望にお応えした「作品」と呼べる逸品が出来上がりました。
おそらく、この様なご要望や実例などはあまり見聞することはないかもしれませんね。
やはり・・・言葉を並べたところであまり伝わらないと思います。
どんなものか気になりますよね?
百聞は一見にしかずと言いますし。
いきなりですが、思い切って完成品からお見せしちゃいましょう

こちらはドイツの自動車メーカーであるVolkswagen(フォルクスワーゲン)のPolo GTI(ポロ)という車です。
お客様はサーキット走行(レース)が趣味とのことで、各所カスタマイズが施されておりました。
車好きにはたまりませんね。

うん、カッコイイ~
レーシーなデザインのボンネットが車体にマッチしていますね。
耐候性の高い特殊な漆を用いて、3種類の漆塗りの技法(色合い)を用いて塗り分けました。
詳細については後ほどご紹介したいと思っています。
初めに、お客様からは大まかなデザインを表したアイデアスケッチと、「溜塗(ためぬり)」というキーワードを頂いておりました。
溜塗とは漆塗りの技法の一つ。

黒や朱といった色漆そのものの色ではなく、表層に褐色味の強い透明な漆(主に朱合漆/しゅあいうるし)を幾度も塗り重ねていき、奥行きのある色合いを表現します。
ボンネットには、そのような仕上りを取り入れたいとの事でした。
この仕事に着手するにあたり、やはり先ずは“本物の溜塗”を見ておくべきですね。
そして足を運んだのがこちら。

東京の代官山にある山田平安堂さん。
知る人ぞ知る、老舗の漆器屋さんです。
こちらで漆器を見せて頂き、色々とお話しを伺うことが出来ました。
その節は大変お世話になりましたm(_ _)m
溜塗と言っても、その表情は様々です。
漆器の産地や漆芸作家さんによっても、色合いなどが違います。
また漆の特徴として、年月が経つことによりその色合いが変わってきます。

こちらの溜塗は、朱漆を塗ったあとに、透き漆(朱合漆)を塗り重ねて仕上げることで現れる色調です。
下地に朱が塗ってあるから、これを「朱溜(しゅだめ)」と言います。

こちらは、木地に漆を染みこませて固めたあと、下地などで木の肌を隠してしまわずに、木地の上にそのまま透き漆(朱合漆など)を塗り重ねることで色合いを表現しています。
これを「木地溜(きじだめ)」と言い、木目を楽しめるのが特徴です。

新品の溜塗の場合、縁などに朱が透けて見えるが、黒塗と思われるくらい透明感のないものがあります。
これは、年月が経つことで透明感が出てきます。
先程お見せした写真を例にすると・・・

こちらの黒塗りの表情のものが、年月を経ると・・・

表層の透き漆の黒っぽさがだんだん薄くなり、透けてこの様に変わってきます。
こういった経年変化が楽しめるのも、漆の魅力だと思います。

こちらのお椀は、薄っすらと見える下地の朱のグラデーションが美しいですよね。
漆独特のしっとりとした触り心地も良い感じです。
下地の色や、透き漆の塗り方を変えたりすると・・・

こういった雰囲気にも仕上がるから驚きです。
なんとも魅力的ですよね。

私的には、こちらの雰囲気も気に入りました

うーん・・・見れば見るほど、その奥深さにハマってしまいます
さて、どうしたものか・・・お客様にどういった提案をすればいいのだろうか。
・・・迷います。
しかし、まだこの仕事は始まったばかり。
ここは焦らずにじっくりといきましょう。
次回、Part.2 に続きます。
・
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それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
次回もお楽しみに
●ニシザキ工芸株式会社塗装部HP
https://tosou.nishizaki.co.jp/
●特注家具・ニシザキ工芸株式会社HP
https://www.nishizaki.co.jp/
コメント
コメント一覧
この度は、ボンネットの漆塗りのご依頼誠にありがとうございました。
ご満足頂けたようで本当に良かったです。
とてもやり甲斐のある仕事でした。