当ブログをご覧頂きまして誠にありがとうございます。
~Part.2 からの続き~
引き続き「ボンネットの漆塗り」の様子を詳しくレポートしていきます。
・
・
えっと・・・前回は・・・

下地の色のエナメル塗料の調色が終わったところまでご紹介しましたね。

そう、洗朱という色に塗料を調色しました。
日本の伝統色である「洗朱」、せんしゅとは読みません。
「あらいしゅ」と読みます。
主に朱塗りの漆器や布地の染色などで用いられる色名です。

朱色を洗って薄くなったような色を形容しているそうですが、初めから洗朱に塗った色を差します。
鮮やかな朱色を洗って薄くしたような、くすみ感のある赤っぽい橙色(だいだい色)です。
調色についてはこの辺にして。
ボンネットの下地作りに戻りましょう。

前回に塗装した下塗り(プラサフ)も完全に乾燥。
表面を平滑にするために、500番から600番あたりのサンドペーパーで研磨します。
写真はエアサンダーという工具を使って作業をしている様子です。

研ぎ残しのないように、しっかり目視しながら、手で仕上げの研磨を行っていきます。
さぁ、調色したエナメルを塗装していきましょう。

塗り忘れがちな縁の部分は、確認しながら塗装しておきます。

そして、広い面を吹き付け塗装していきました。
くすんだ色と言えども、案外鮮やかなオレンジ色です。

下地の色、塗装完了です。
乾燥して塗膜が締まってくると、黒味や赤味が上がってきて色が落ち着いてきます。
しばらく放置して、しっかりと乾燥させましょう。
さてと。

お客様のご要望である「溜塗(漆塗り)」を、ウレタン塗装で再現していきましょうか。
現代の木工塗装ではよく用いる“カラーリング”という技法を応用しました。
“溜塗の色”を意識しつつ、染料を調色していきます。

下地の色である「洗朱」を塗装しておいた塗装サンプル板に、調色した染料とウレタンクリヤーを混ぜ合わせたもの(カラークリヤー)を吹き付けて色味を確認。
調色し直し、塗装し直すこと数回、頭の中のイメージに合う色味に合わせていきます。
こうして溜塗っぽさを表現していきました。

よしっ、こんな感じかな。
言わばこちらのカラークリヤーが、溜塗で用いる朱合漆(透き漆)の代用と言うわけです。

ではでは、カラーリングを始めていきましょう。
こちらの工程では、塗膜にホコリやゴミなどがなるべく付着しないように、塗装面を立面にしておきます。

裏に回るとこんな感じです。
新品で満タンの重い一斗缶に品物を立てかけています。
塗装面を軽く研磨します。
完全乾燥させたエナメル(下地の色)面なので、足がかりを付けて密着性を高めなければなりません。

カラークリヤーを吹き付け塗装してきます。
1度に厚く塗装せず、少しずつ、少しずつ、幾度にも分けて作業を行います。
1度に塗装してしまうと、色ムラがひどくなってしまうので。
多少の色ムラ感は欲しいけど、あまりにもムラムラなのはダメ。

カラークリヤーが吹き終わったら、トップコートとして染料を入れない透明なクリヤーを、幾度かに分けてしっかりと厚めに吹き付け塗装します。
トップコートを塗装することにより、塗膜の“ツヤ感”や“ぽってり感”が増すと同時に、カラークリヤー層をキズなどから守ることができます。
ちなみに、ホコリや塗装ミストの付着を最小限に抑えるため、ボンネットの両端と中央の2回に分けてカラーリングを行いました。
なので、1度目にカラーリングを行った両端はマスキングされています。

よしっ、カラーリング完了しました。
なるべくホコリやゴミが付着しないよう塗装面は最小に、溜塗の部分のみ作業を行いました。

ほのかな色ムラ感があるでしょ?
先日観に行った、代官山の老舗漆器屋さん「山田平安堂」さんの溜塗を参考にさせて頂きました。

事前に作った溜塗のサンプル板との比較。
だいたい同じような色合いになりました。

しばらく放置して完全乾燥をさせます。
これから塗装面にマスキングテープを貼り、養生をして色の塗り分けを行わなければなりません。
テープの痕が残らないようにしっかりと乾燥させます。
・
・
それでは今回はこの辺で。
次回は色の塗り分けの様子をご紹介していきますね。
~Part.4 に続く~
最後までお読み頂きありがとうございました。
次回もお楽しみに
●ニシザキ工芸株式会社塗装部HP
https://tosou.nishizaki.co.jp/
●特注家具・ニシザキ工芸株式会社HP
https://www.nishizaki.co.jp/
~Part.2 からの続き~
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えっと・・・前回は・・・

下地の色のエナメル塗料の調色が終わったところまでご紹介しましたね。

そう、洗朱という色に塗料を調色しました。
日本の伝統色である「洗朱」、せんしゅとは読みません。
「あらいしゅ」と読みます。
主に朱塗りの漆器や布地の染色などで用いられる色名です。

朱色を洗って薄くなったような色を形容しているそうですが、初めから洗朱に塗った色を差します。
鮮やかな朱色を洗って薄くしたような、くすみ感のある赤っぽい橙色(だいだい色)です。
調色についてはこの辺にして。
ボンネットの下地作りに戻りましょう。

前回に塗装した下塗り(プラサフ)も完全に乾燥。
表面を平滑にするために、500番から600番あたりのサンドペーパーで研磨します。
写真はエアサンダーという工具を使って作業をしている様子です。

研ぎ残しのないように、しっかり目視しながら、手で仕上げの研磨を行っていきます。
さぁ、調色したエナメルを塗装していきましょう。

塗り忘れがちな縁の部分は、確認しながら塗装しておきます。

そして、広い面を吹き付け塗装していきました。
くすんだ色と言えども、案外鮮やかなオレンジ色です。

下地の色、塗装完了です。
乾燥して塗膜が締まってくると、黒味や赤味が上がってきて色が落ち着いてきます。
しばらく放置して、しっかりと乾燥させましょう。
さてと。

お客様のご要望である「溜塗(漆塗り)」を、ウレタン塗装で再現していきましょうか。
現代の木工塗装ではよく用いる“カラーリング”という技法を応用しました。

“溜塗の色”を意識しつつ、染料を調色していきます。

下地の色である「洗朱」を塗装しておいた塗装サンプル板に、調色した染料とウレタンクリヤーを混ぜ合わせたもの(カラークリヤー)を吹き付けて色味を確認。
調色し直し、塗装し直すこと数回、頭の中のイメージに合う色味に合わせていきます。
こうして溜塗っぽさを表現していきました。

よしっ、こんな感じかな。
言わばこちらのカラークリヤーが、溜塗で用いる朱合漆(透き漆)の代用と言うわけです。

ではでは、カラーリングを始めていきましょう。
こちらの工程では、塗膜にホコリやゴミなどがなるべく付着しないように、塗装面を立面にしておきます。

裏に回るとこんな感じです。
新品で満タンの重い一斗缶に品物を立てかけています。

塗装面を軽く研磨します。
完全乾燥させたエナメル(下地の色)面なので、足がかりを付けて密着性を高めなければなりません。

カラークリヤーを吹き付け塗装してきます。
1度に厚く塗装せず、少しずつ、少しずつ、幾度にも分けて作業を行います。
1度に塗装してしまうと、色ムラがひどくなってしまうので。
多少の色ムラ感は欲しいけど、あまりにもムラムラなのはダメ。

カラークリヤーが吹き終わったら、トップコートとして染料を入れない透明なクリヤーを、幾度かに分けてしっかりと厚めに吹き付け塗装します。
トップコートを塗装することにより、塗膜の“ツヤ感”や“ぽってり感”が増すと同時に、カラークリヤー層をキズなどから守ることができます。
ちなみに、ホコリや塗装ミストの付着を最小限に抑えるため、ボンネットの両端と中央の2回に分けてカラーリングを行いました。
なので、1度目にカラーリングを行った両端はマスキングされています。

よしっ、カラーリング完了しました。
なるべくホコリやゴミが付着しないよう塗装面は最小に、溜塗の部分のみ作業を行いました。

ほのかな色ムラ感があるでしょ?
先日観に行った、代官山の老舗漆器屋さん「山田平安堂」さんの溜塗を参考にさせて頂きました。

事前に作った溜塗のサンプル板との比較。
だいたい同じような色合いになりました。

しばらく放置して完全乾燥をさせます。
これから塗装面にマスキングテープを貼り、養生をして色の塗り分けを行わなければなりません。
テープの痕が残らないようにしっかりと乾燥させます。
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それでは今回はこの辺で。
次回は色の塗り分けの様子をご紹介していきますね。
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最後までお読み頂きありがとうございました。
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