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技と感性を形に。技能コンクール作品制作レポート(後編)からのつづき~

先日ご紹介した「技能コンクール作品制作レポート」の記事では、私たち塗装部スタッフ達が思い思いに取り組んだ作品の制作過程や狙いをお伝えしました。

そして、いよいよその結果発表の場となったのが、2026年1月18日(日)に日暮里駅前のアートホテルラングウッドにて開催された、東京木工塗装技能士会の総会・新年会、および同会場で行われた第19回技能コンクールです。

今回のブログでは、総会・新年会の和やかな雰囲気とともに、会場に並んだ力作の数々、そして技能コンクールの結果について、当日の様子を交えながらレポートしていきたいと思います。

会場の様子

令和8年度の総会・新年会には、会員技能士の方々をはじめ、ご来賓の皆様も多数ご出席され、会場は終始、和やかでありながらも引き締まった、たいへん良い雰囲気に包まれていました。
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会場の一角には、技能コンクールの展示スペースが設けられ、テーブルの上には、今年も力作揃いの作品がずらりと並びました。
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それぞれの作品からは、塗りに向き合った時間、作者の工夫、技能士として矜持が静かに、しかし確かに伝わってきました。

「百聞は一見にしかず」と言いますが。
会場の様子や、作品の審査発表会の様子を、約4分の動画でまとめてみました。
当ブログの筆者は、東京木工塗装技能士会の広報係を仰せつかっており、こんな動画も制作させて頂いています。

技能コンクールについて

東京木工塗装技能士会の技能コンクールは、会員技能士の方々やご来賓の皆様の投票によって順位が決まる点が大きな特徴です。
会員技能士たちは職人目線で、ご来賓の皆様は一般目線で評価することになりますので、思ってもみない結果が飛び出ることもあります。

とは言え、木工塗装技能士1級、2級という、級別の枠にとらわれず、純粋に「作品として優れているかどうか」「技術と表現が両立しているか」という観点で評価される、思いのほか実践的で緊張感のあるコンクールだったりします。
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もちろん、私も投票に参加しましたが、どの作品も素晴らしく、これがまた選ぶのが難しい。
投票は各自3作品に絞るのですが・・・やはり皆さん悩んでおられましたね。

今年もその中から、第1位・第2位・第3位の3作品が選出されました。

第19回 技能コンクール 入賞作品紹介

★★★第1位 目黒大祐(ニシザキ工芸株式会社)
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箱全体を丁寧に削り込み、角を感じさせない緩やかな丸みを与えることで、まるで漆塗りの器のような、ふっくらとした質感を表現した作品です。

深みのある赤系の色合いは、漆塗りを思わせる落ち着きと艶感を持ちながらも、決して重くなりすぎることなく、木地の存在感をしっかりと残しています。

木目を活かした表情と、草花の絵付けがさりげなく配され、造形と塗り、装飾が一体となった完成度の高い仕上がり。
形づくりから塗装表現まで、一貫した狙いと丁寧な仕事ぶりが評価され、今回の最優秀賞につながった一作です。

★★第2位 山﨑隆史(ニシザキ工芸株式会社)
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黒を基調とした塗膜の中に、鮮やかな緑の表情が浮かび上がる、印象的な一作。

この独特な模様は、サランラップを用いた特殊な技法によって描き出されています。
塗料の動きと偶然性を巧みにコントロールしながら、単なる模様に終わらせず、作品全体としてのまとまりを持たせている点が特徴です。

深みのある色合いと、艶感のある仕上げが相まって、見る角度や光の当たり方によって、表情が微妙に変化します。

実験的な手法に挑戦しながらも、仕上がりは非常に安定しており、技術力と表現力のバランスの良さが高く評価された作品です。

★第3位 長橋輝明さん(長橋塗装所)
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落ち着いた色調の塗膜の中に、無数の線上模様が浮かび上がる、独特の表情を持った作品です。

表面には、尿素と表面活性剤を用いた「結晶塗装」と呼ばれる変わり塗りが施されており、塗膜が乾燥・硬化する過程で生まれる結晶模様が、アートな表情を作り出しています。

偶然性を伴う難易度の高い技法でありながら、模様の出方は過度にならず、全体として非常に安定した仕上がり。

長年培ってきた経験と技術力があるからこそ可能な、抑制の効いた表現が印象的な一作です。

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今回の技能コンクールでは、弊社ニシザキ工芸株式会社 塗装部から出品した作品が、第1位および第2位に選ばれる結果となりました。
普段の現場で積み重ねてきた仕事が、こうした評価につながったことは、塗装部一同にとって大きな励みとなります。

おわりに

総会・新年会と技能コンクールが同じ会場で行われることで、交流と学び、そして刺激が一体となった、非常に充実したひとときとなりました。

同じ木工塗装に携わる仲間たちの作品を間近で見て、語り合い、刺激を受ける。
こうした場があること自体が、この業界の財産だと感じます。

さて、次回の技能コンクールではどのような課題が設定されるのか。
そして、どんな作品が並ぶのか。
今から楽しみでなりません。


それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
次回もお楽しみに


●ニシザキ工芸株式会社塗装部HP
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●特注家具・ニシザキ工芸株式会社HP
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